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マリの涙に胸のモヤモヤしたものがまた顔を覗かせる
『もう出ようか?』
『うん…』
手を繋ぎ出口に向かう途中ワールドバザールでマリの部屋にあったアノ真っ赤熊のヌイグルミより一回り大きなプーのヌイグルミを持ってマリに見せた
『要る?』
『…うん』
会計を済ませマリに渡すと大事そうに抱えて歩き出した
マリも俺も無言のまま車に乗り込む
『コウちゃん、帰ろう…』
『帰るって、ホテルキャンセルしたら勿体ないよ…、嫌なのか?』
『違う…嫌じゃないけど…』
ヌイグルミも抱きしめ顔を押し当てている
『じゃあ行こう…』
車を走らせホテルに向かった
30分ほどでホテルに着き、部屋に入るとマリはベッドに仰向けで寝そべり天井をボンヤリ見ていた
『疲れた?』
『うん…、でも楽しかった…花火も凄く綺麗だったし…。』
『それなら良かった』
『コウちゃんあのね…』
言葉の雰囲気にその場から逃れるために聞こえないふりをして言った
『俺風呂入るからマリも後から来なよ』
返事を聞く前にバスルームに入った
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