逢いたい

理由

風呂から出るとマリはまだ同じ状態で天井を見ていた

『マリ…、風呂入って温まってきなよ…』

『コウちゃん…』

『話は後！ビール飲んでるから早く入ってきなよ』

聞きたくなかった、モヤモヤは晴らさなくてもいいと思った

冷蔵庫からビールを取出し、外を眺めながらプルトップを引き上げると一気に飲んだ

マリは起き上がると後ろから抱きついてきた。

『少しだけこうしてていい？』

『うん…』

約５分

腰に廻されていた手が解けマリがバスルームに消えた

ビールを飲み干し冷蔵庫からウイスキーのミニボトルを取出した時にマリのバッグの中で携帯が鳴り始めた

着信音はしばらく続き切れた

それから30分

ようやくマリがバスルームから出てきた。

『マリ…、さっき携帯鳴ってたよ。』

『…ありがとう』

マリはバッグから携帯を取出すとチェックして閉じると俺に向き直り口を開いた

『コウちゃん…』

マリの話を遮るように俺が聞いた

『プレゼントしたピアスして来なかったの？』