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月末の週末
残業が無くなり定時で上がる事が出来て寮に帰ると急いで皮ジャンを着こんでバイクに跨がり走り出した
驚かせてやろう…
帰れないと言っていた今日
驚くだろうな…
ヘルメットの中で驚いて喜ぶマリの顔を思い浮かべた
走り出して2時間
さすがに寒さが身に染みて休憩の傍ら、缶コーヒーとエンジン熱で暖を取る
時計は19:35を表示している
時計はマリからの誕生日プレゼント
15分ほどの休みでまた走り出した
マリのアパートまで後2時間
捕まらないように、事故らないように細心の注意をはらってアクセルを捻って飛ばした
『寝てたりして…。それとも夜勤とか…、まさか男がいたりして…。無い無い!』
あれこれ考えてしまう
そんな事を考えながら走り続けようやくマリのアパートが見えてきた。
後200メートルほど
驚かせたい一心でエンジンを止めて押し歩く
2階のマリの部屋を見上げると電気が点いている
バイクを停め、音を立てないように階段を上がり玄関のチャイムを押した
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