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今日初めて会ったのに、彼のことが気になる。 彼女にとってこんな感情初めてだった。 彼が濁している事がどうしても知りたかった。 だが、言えない。 彼の切なそうな表情を見ていると、話し掛けることさえもできなかった。 「ごめん、変な空気にして。今のことは気にしないで」 彼は視線を下に向けたまま、そう言った。 「それは…できません。そんな表情されたら、ほっとけません。詳しいことは聞きませんが、何か悩んでいるのなら私でよければ力になりますよ」 初対面の相手にこう言われ、彼は驚いた。 そして、ふっと笑った。
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