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真実を聞いた俺は、しばらく呆然としていた。
今流れている曲を歌う男と、俺の後ろにいる撫で肩が、幼なじみ。
しかし撫で肩の彼は、仕事の合間をぬって真っ先に会ってくれた男を、拒絶した。
「なんで?幼なじみなんでしょ?名前でわかるんじゃなかったの?」
叫ぶのは俺にとっての幼なじみ。
ゲームばかりでろくに友達もいない俺にとって、小さい頃からの幼なじみは貴重な存在だった。
もし、幼なじみのこいつが、俺の事を忘れたら…
俺を拒絶したら…
考えられない。
ショックでしばらく落ち込むかもしれない。
普段邪険にする幼なじみだが、それでも、いざあちらから拒絶するのも俺は嫌だ。
そんな存在。
それなのに、男は違った。
「参りましたよ。あなたが一番の親友だから、あなたのところに行きたいって言い出して。」
へらへらと、本人はそんなつもりはないのだろうが、俺からすれば、
この二人は、本当に友達なんだろうか。とまで思う。
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