君に伝える、

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お昼ご飯を食べに来たら、アルバイトをしているらしい彼が撫で肩を走らせて来た。 「いらっしゃいませ!」 満面の笑みで笑いかける彼に、俺の心が揺れそうになる。 …ダメだって。男に好きだなんて言われたら、嫌われちゃうって。 自分に叱咤して席に座る。 あまり人のいない場所に座って、いつものカレーを頼んだ。 「そのカレー好きだねー」 「だっておいしいんだもん!」 本音を言えば、彼が一生懸命作っているらしいカレーだから食べてるんだけど。 運ばれてきたカレーに福神漬を添えながら、いつも毒舌な幼なじみがいない事に気づいた。 撫で肩を揺らす彼に問う。 「ねーねー。あいついなくない?仕事探し?」 「え…あぁ、上にね、お客さん。」 あのバイクの人だよ。って言われて、自分も知ってる人だと気づいた。 笑顔で気さくに話す彼に、やはり恋心は止まない。 カレーを一口たべる。 「……ありゃ?」 .
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