5  予告

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「…英子様。‘計画’に支障などは無いのでしょうか…」 そう言ったのは、園瀬の相談窓口、豊田だった。 東雲は小さく笑って返事を返した。 「……大丈夫よ。私の‘実験’に狂いは無い」 「ふーん、やっぱりか」 突然の声に、豊田が出入口の扉を見据え、身構える。 開いた扉から見えた人物は、場違いなローブを纏い、無関心そうな顔をした─── 一条流水だった。 「あんたの仕業だと思ったよ…東雲の末裔」 「───一条!!!!」 豊田は一条を睨みつけ、懐から拳銃を取出し、何の躊躇も無く発砲した。 ───鋭い銃声と金属音。 それらがおさまった時、‘豊田は少しも動くことができなかった’。 射出された弾は、一条の後ろから出てきた細目の鬼の、岩のようになっている腕に弾かれていたのだ。 それどころか、もう一匹の小さな鬼の爪を、喉にあてがわれていた。 どちらも、一瞬の出来事だった。               ‐
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