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「お前達、裏の事に関して知識があるな?だから今まで世界の矛盾処理の力を回避してきたし、‘戦鬼’を見て逃げた。…だろう?」
何もしていないはずの男に、睨まれている気がする。
何か気分が悪い。
「…何の事か分からないわ」
ユーリが前の二人を睨む。強烈な眼光は、味方なのに恐ろしかった。
若い男は、態度も表情もまったく変えずにユーリに言い返す。
「…『何の事か分からない』か。ふん、そんな言葉は分かってる奴しか使わない。本当に知らない奴ってのは…大概慌てるもんさ」
「……」
ユーリと男が静かに睨み合う。篠岡はこの状況をどちらか判断する事で頭がいっぱいだった。
とても嘘とは思えない、真剣な様子のユーリ。自分を騙すためにこんなことをする意図も分からない。その上でのこの状況。これは演技でも何でもない。そうとしか思えない。
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