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「大丈夫ですニャ!!これでもう‘袋の鼠’ですニャ!!捕まえるのも時間の問題ですニャ!」
一条はそのビルの裏口を一瞥し、少しの間の後。
「……そうだな」
そう言った。
「それじゃ、ここはお前に任せる。両方か、場合によっては‘片方でいい’。必ず始末しろ」
「らニャー!!」
猫のような鬼の少年は、何かとても楽しそうにビルの裏口に入っていった。
「気を付けろよー。窮鼠は猫を噛むからなー…」
恐らく聞こえていないから返事は期待していない。とにかくこちらは‘わざわざビルの中なんかに逃げた理由’を調べないといけない。
わざわざ逃げる範囲を限定しても、ドッペルゲンガーからのメリットは無いのだ。さっきの間は、その違和感に気が付いたためだ。
「……行くぞ。護鬼」
「ハイ」
一条と細目の男は、街の中心とは反対方向、篠岡達が走ってきた方へ歩き出した。
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