4  非日常

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  ◆ 「ちょっ…と、ユーリぃ!」 真っ暗な廊下を走っている。人の気配が全く無い。それもそうだろう。そこまで凄まじい訳では無いが、どう見ても今は使われていない廃ビルの中なのだから。 ユーリは篠岡を完全に無視して、ある場所で足を止めた。 その扉の脇にある、「Δ」のボタンを押した。そう。エレベーターである。 「…ユーリ…エレベーターは…見つかっちゃうよ…」 息を整えながら忠告する。 一度閉じ込められると階に着くまで密室になる上に、降りた階がバレバレなのだ。 あまり良い逃走手段とは言えない。 「そもそも…電気が…」 そう言っていると、エレベーターが到着した音がした。開いた扉の中には、独特の個室があった。 ユーリはその中に入ると、「3」のボタンと「閉」のボタンを押して、急いで出てきた。ゆっくりと扉が閉まっていく。 「…これであのバカは引っ掛かるでしょ」               ‐
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