4  非日常

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そう言うと、篠岡の手を掴み、ペースは明らかにゆっくりであるが、さらに奥へと進んでいく。 「こんなこともあるかと思って、エレベーターの電気を復活させておいたの」 走りながら、そんな説明をしてくれた。 「ねぇ…ユーリ」 篠岡が、横を走る自身のドッペルゲンガーに尋ねる。 ユーリは質問を聞けるように身構えた。 「…今起こってる事は…本当なの…?それとも…」 「…少なくとも、私はお遊びで、拳銃[こんなモノ]は持ち出さないよ」 ユーリが未だ左手に持っている、白い小型の実銃を見せながら、言った。 暗いせいでちゃんとは見えない。しかし篠岡は心配そうにその左手を眺めていた。 ユーリが階段を見つけ、駆け上がる。篠岡もその後についていった。 …何階分だろう。10階ぐらいはもう上がっただろうか。 そこで唐突にユーリの足が止まった。最上階にまで上がって来たようだった。               ‐
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