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ユーリは落ち着きながら、理由を説明してくれた。
「そうだねー。でも、普通そんなところには逃げないでしょ?その裏をついての屋上ってわけ。それに、中と違って明るいしね」
久しぶりにユーリが笑顔になった。しかし、そんなことで篠岡は納得出来ない。あんな分かりやすい証拠を残してドアを開けて来てしまったのだ。ここを捜さない訳が無い。
「ちょっと、それ、ダメじゃない…?全然理に適ってない気がするんだけど!?」
だんだん腹が立ってきたらしい篠岡の様子を見て、ユーリが「この子、私が笑うと怒るなぁ」と考えたかどうかは分からないが、篠岡へ、神妙な面持ちで言った。
「…実はね、相談があったから、ここまで来たんだ」
急に何か申し訳なさそうな声色を出すユーリ。意図は分からなかったが、聞いてみなければ話は進まない。
「……何?」
「相談する前に一つ確認」
自分から話を振ったくせに、先に確認をしてくるという暴挙を冒してきた。そこまで大切な事なのだろうか。
ユーリが、ゆっくりと口を開く。
「…優理は…今までの私の話を、信じてくれる?」
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