4  非日常

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…今更な確認だと、思った。 …同時に、一番大切な確認だとも思った。 とにかく、ここでは「信じる」と言わないと話が進まないのだろう。または信じるまで説明を続けたりするかもしれない。要するに‘これまでの事を本当だと思っているか’どうかの確認がしたいのだ。なぜそんな事を?と一瞬思ったが、結論に気が付いた。 つまり、これから何かを篠岡にさせるつもりなのだ。 そして、それは本気でやらなければならない事なのだ。 今までの話を信じると仮定すると、ユーリは優理である。つまり自分自身である。ユーリは自分が‘演技’だと思っているものは本気になることができないのだろう。事実として、篠岡もソレに近い。 それ故の確認なのだ。‘これは演技や嘘ではない。だから本気でやってくれ’それを要求するための確認。 ならば、否定しても無駄であるし、否定しては今の状態が成り立たなくなってしまう。否定が成り立てば、そこまで本気で何かをする必要が無くなってしまうからだ。 つまり、“本気である事”が、今起きている出来事が真実だという、なによりの証拠───だ。               ‐
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