4  非日常

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「…信じるよ。ここまで来たらね」 諦めたような、信頼したような、悲しいような嬉しいような、すごく複雑な心持ちだった。 ユーリはそれを確かに聞き入れると、決意したように口を開いた。 「じゃあ相談…するよ」 篠岡は頷いた。 ユーリは続ける。 「…私……ね。実は、一つだけ…‘世界から逃れる方法、見つけたんだ’…」 篠岡の目が丸くなったまま固まる。信じると言った直後に、信じられない発言を聞いてしまった。 「………マジ?」 唯一出てきた言葉は、そんな一言だった。 そうなってしまうのも仕方がないと思って頂きたい。何故ならば、今の事態を全て解決できる手段を、ユーリは持っていたのだから。 世界の矛盾処理の力から逃れられる。それはつまり、現在一条とやらに終われている原因を排除できるという事だ。篠岡たちが狙われている理由は、まさにその力から逃げていることなのだから。               ‐
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