255人が本棚に入れています
本棚に追加
篠岡は、わざと明るくそう言った。
それを察し、ユーリは胸に手を当てて言った。
「…ごめんね。それじゃ無茶を言うけど…」
そして、ユーリは胸に当てていた手に力を入れた。
──当然、胸に手を‘当てられていた’篠岡は、バランスを崩した。
押された篠岡の体は、段差よりも外側に倒れていく。
「……え」
背中が、恐ろしいほど冷たくなった篠岡が見たのは、篠岡に当てていた手をそのまま振る─────
────笑顔の、ユーリだった。
「…死んでくれると、ありがたいんだよね────」
‐
最初のコメントを投稿しよう!