0  魔女

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と、突然、頭を洗いながら何故かピンと来た。 私がお風呂に入れて貰えた理由。 その意味も。 この考えは間違っているといいなと思った。 お風呂から出て、用意されていた地味なワンピースのような簡易の服を言われるままに着る。 お風呂場から出た廊下には窓があった。やっぱりまだ朝だった。一階からの景色でも、久し振りに見る外は絶景だった。 今度は男についていきながら階段を三階分降りた。 地下三階の廊下を歩いていき、一つの扉の前で男は言った。 「…ここに入れ」 開いた扉から部屋の中を見る。部屋は大きかった。 なのに、中央に椅子がポツンとひとつあるだけ。他には何も無かった。 別にがっかりもしないが、予想通りだ。 つまんないの。 部屋に入りながら、男は言った。               ‐
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