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「今から死刑囚、No.015の死刑を執行する」
男はいろいろな事を指示しながら、私を高圧電流が流れる予定の椅子に座らせ、金属製の目隠しに、手足を鉄枷で固定した。
私は何もせず、何も感じないようにしていた。
作業を終えた男は扉の方まで歩いていくと、扉に手をかけながら一言言った。
「…俺たちを、呪わないでくれよ」
「……………うん」
男は扉を閉め、隣の部屋に入った。その部屋には沢山のコードと重々しい機械が入り交じっていた。しかし操作はいたって簡単。機械に唯一埋め込まれている赤いスイッチを押せばいいだけなのだから。
先に入っていた二人目の男は、今入って来た男に向けて喋りかけた。
「毎回、この仕事だけは厭だな俺ぁ」
「そう言うな。ただスイッチ押すだけだろ。ほら、今回はお前の番だ」
座って待っていた男は立ち上がり、すたすたとスイッチの前に移動した。
「…じゃあ、押すぞ。時間見てろ」
「はいよ」
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