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「……」
窓の外を眺めながら懐かしくガイルのことを思い出していた時、ガイルを拾ってきた泉の水で作った水鏡からキレイなボーイソプラノの歌声が響いた。
ピティに教えてもらったという歌。響いているのはガイルの歌声。
ガイルの部屋にも泉の水で作った鏡がある。多分そこから聞こえてくるものなのだろう。
近頃歌っていないと言ったら、顔を赤くして照れていた。それがとても可愛らしいとルソックは思う。
久々に聞いてみると、やはりとてもキレイな声だと思った。
歌に聞き入っていると、ドタドタと騒がしい音が近づいてくる。
「じじ様!ほ、他の国のやつらが…!」
「……」
やっときたか…。
ルソックは入ってきた男に向き直って、静かに言った。
「ここへ通しなさい」
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