ch-3

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守護精霊とは、その人を護る為にいる精霊のこと。 多分、じじ様の部屋にいた5人に1体ずついた精霊は守護精霊なのだろう。 その人の命令には絶対服従で、何でもこなす万能精霊だと聞いた。 守護精霊は自分の主人になる人間を探して近寄ってくるらしい。   ―私、ガイルの守護精霊になってあげようか?― 「え?」   ピティはボクに背を向けたままそういった。   ―そうすれば、ずっと一緒にいられるじゃない。でしょ?―   そう言って振り返ったピティの瞳は不安そうだった。 まるで今にも涙が零れそうなくらい揺れていて、ボクは息を呑む。   ―だからさ、私が守護精霊になるから…だから、どっかにいっちゃわないでよ…ガイル…― 「ピティ?…何言ってるの?」   わけがわからなくて、首をかしげる。 ピティは俯いて、1、2滴涙を零した。 ボクが近寄ろうとした瞬間、ピティは顔をあげて、無理に笑ってこういった。   ―なんてね。冗談だよ。ビックリした?ガイルがここを出てくことなんてないのに。何言ってんだろう…ははっ―   そういうと、羽を出して泉の上に飛ぶ。そして、一呼吸おいて歌いだした。   「……」
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