4人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
4.
「では、あなた方の名前を教えてもらいたい。それと、何のためにここへきたのかを」
ルソックは静かに目の前に座る赤髪の青年に言った。
青年は、では…ともの優しげな声で言い、自分と他の連れの紹介を始めた。
「私はユーマ・ウォントと申します。スナで高位魔術師の称号を得、この神選びの儀に選ばれました。交渉役も兼ねています」
胸に手を置き、小さく礼をする。そして、少し後ろを向き、扉の前にいる白髪の人の紹介を始める。
「あちらの方はエンジ・ルーカス殿。北東の国アヌマの女性騎士の方です」
エンジと紹介された女性は浅く一礼をし、ルソックを見る。
「エンジ殿は、なぜ神選びの儀に?」
ルソックが訊ねる。
「・・・国からの命で」
エンジは短く答え、扉の横に立つ。もう何を聞いても答えてくれなさそうな顔をしていた。
「では次に…こちらはキーラ・ニッツ殿。スナと聖神国とのあいだにある街の医師です。神選びの儀には関係はなく、道中の救護という形で同伴しております」
ユーマがさしあたのは青髪の少女で、自分を紹介されたのに照れながらにっこりと笑った。
「どうも、キーラです。この中では最年少ですけど、頑張らせてもらってます」
最初のコメントを投稿しよう!