ch-4

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  4.   「では、あなた方の名前を教えてもらいたい。それと、何のためにここへきたのかを」   ルソックは静かに目の前に座る赤髪の青年に言った。 青年は、では…ともの優しげな声で言い、自分と他の連れの紹介を始めた。   「私はユーマ・ウォントと申します。スナで高位魔術師の称号を得、この神選びの儀に選ばれました。交渉役も兼ねています」   胸に手を置き、小さく礼をする。そして、少し後ろを向き、扉の前にいる白髪の人の紹介を始める。   「あちらの方はエンジ・ルーカス殿。北東の国アヌマの女性騎士の方です」   エンジと紹介された女性は浅く一礼をし、ルソックを見る。   「エンジ殿は、なぜ神選びの儀に?」   ルソックが訊ねる。   「・・・国からの命で」   エンジは短く答え、扉の横に立つ。もう何を聞いても答えてくれなさそうな顔をしていた。   「では次に…こちらはキーラ・ニッツ殿。スナと聖神国とのあいだにある街の医師です。神選びの儀には関係はなく、道中の救護という形で同伴しております」   ユーマがさしあたのは青髪の少女で、自分を紹介されたのに照れながらにっこりと笑った。   「どうも、キーラです。この中では最年少ですけど、頑張らせてもらってます」
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