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その儀式とは、何人かの集団で世界を回り、神と関係のある精霊たちから話を聞くことで、この儀式は何百年に一回とごく僅かしか行わない。
前回の神選びの儀からはもう500年の歳月が過ぎている。
生きているうちにこの儀式に参加できるという事は、かなりの名誉なのだ。
今回の神選びの儀に選ばれた神の子は、南国スナの高位魔術師であるユーマ、北東の国アヌマの女性騎士であるエンジ、西国聖神国の高位魔術師であるチチャの3人と、この東国魔神国の少年ガイルである。
「明日には出発したいと思っております。ガイルという子に会えませんでしょうか?彼の了承がなければこの国を発つことができませんので」
「ガイルか…あの子なら今…」
ルソックの言葉を遮り、水鏡から少女の歌声が響く。少し遅れて、少年の声も。
「…これは?」
ユーマが問う。ルソックはその歌に耳を傾けながら答えた。
「これは、この国を出て少し行ったところにある泉から聞こえてくるものじゃ。あの泉は声を通す。その泉の水があるところへならどこへでも…。この水鏡もあそこの泉の水を使ったものじゃ…。そしてこの歌は、ここの精霊たちが歌い継ぐ歌じゃよ」
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