ch-4

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「では、歌っているのは精霊…?」 「そうじゃ、少女の方は精霊じゃよ。もう一人は明日にでもここを発つであろうガイルじゃ」   ルソックは少し悲しみを込めて言う。明日からあえなくなるのかと思うと、やはり少し悲しいものがあるから。   「…今日はもう休まれよ。話なら明日でも十分間に合うだろうに…」 「ですが…」 「部屋は用意させる。…あの子は反対せんよ。心配いらん」   ルソックはユーマに微笑むと、扉の方へ行き、そこにいた使いの女たちに部屋へ案内するよう言った。 ずらずらと部屋を出て行く途中、ルソックはユーマを呼び止める。   「ユーマとやら」 「はい」 「…これを」   ルソックがユーマに渡したのは、この国の戦神が残した白い水晶だった。   「これは?」 「旅をする上で必要になるものじゃ…お前さんにガイルを頼みたい…」 「なぜ?」 「一番まともそうだからじゃよ。お前さんに預けるのがよいと思ってな…」 「…  」 ユーマは苦笑してこの水晶の意味をルソックに聞く。   「これはガイルの心をうつす水晶じゃ」 「心を…?」 「そうじゃ。この水晶が黒く染まる時、ガイルの心の中は憎しみに溢れ、世界は滅亡する」
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