ch-1

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最近、この森の外では“悪魔狩り”と言うものがあり、ピティは外に出る事が少なくなった。昔はあまり会えなかったが、この頃はよく泉で会う。   ―困ったものよ。悪魔狩り。軽々しく外にも出られない― 「そもそも悪魔狩りってなに?」 ―アンタ、ホントに世間知らずね。悪魔狩りって言うのは、私みたいに真っ黒な羽を持った精霊たちを狩って、羽根をもいで売るのよ。悪魔は悪いものだからいちゃいけないって殺しにかかってくる奴だっているんだから!― 「それはヒドイね…。勝手に悪いなんて決めてさ」 ―ホントよ!だから、アンタも外には出ちゃダメよ!外の人間と一緒にいたら殺されちゃうんだから!―   この国の人、森の精霊は皆そろって外へ出るなという。 昔からこの国は外との交流が全くない国で、外の国の情報は殆ど噂か精霊たちが運んでくる。 どれが本当で、どれが嘘かもわからない情報ばかりだ。 ボクはいつかこの国を出たいと思っている。 本当の事を知りたいと思うから。 それは誰にも打ち明けてないボクの望み。いつか、もう少し大人になったら外へ旅立ちたい。その願いは日に日に増していく。   「……うん。外には、いかないよ」
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