ch-2

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その考えが変わったのは、ガイルが3歳になった頃。 預けた女から急に呼び出されてその女の家に行った。 何事かと部屋に入ると、窓枠に腰掛けている黒い4枚羽を持つ男が、預けた子供を抱いてこちらを見ていた。   “……黒衣翔攻(コクイショウコウ)……?”   この国で戦神と崇められている神がそこにいたのだ。 それも、拾ってきた子供を抱いて。 何も言えず、立ち尽くすだけのルソックたちに、神と崇められるものはこういった。   “愛を持って育てろ。そうすれば救世神になる”   それともう1つ   “悲しみを増やすな。そうすれば破壊神になる”   とも。 それだけ言い残すと、神は消え、白い水晶を置いていった。 そこに居た誰にも聞こえなかったそうだが、ルソックにはその水晶の意味が伝えられた。 悲しみが増えるたび、その水晶は黒く色を変え、全て黒くなればこの世界は破滅すると。 それは脅しには聞こえず、ルソックはこの子供に全ての愛を注ごうと決意した。 そして名を、この国の言葉で愛をしめすガイルと名付けたのだ。
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