唄姫のお願い

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虹の協団内部の奥の奥の廊下を歩いた処に薄暗く、不気味と言うのだろうか……独特な雰囲気を醸し出している部屋があった。 この部屋は、選ばれた人間である、“虹の使徒”意外近づくことを禁じられている部屋だ。 そんな部屋に向かって、真っ黒のローブを身に纏いフードを深く被っている身長の低い者が一人、歩いている。 コツコツコツと、長く静かな廊下に音を出しているのはこの者の足音だけ。それ以外は音が何もない。 その者は、部屋の前で足をピタリと止めると、急に部屋の扉が音をたてながら開く。 恐らく、部屋の内側にいる誰かが開けたのだろう。 ローブに身を纏ったその者は、何の躊躇いもなく部屋に入って行ってしまう。 ―――バタンッ 黒いローブを身に纏った者が部屋に入った瞬間、大きな音をたてて直ぐに扉は閉まった。
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