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水色の少し癖のある髪の少女は、もう一人の子の手を握りながら近づいて来る隊長を警戒した目付きで、少し怯えながら見ている。
「……すまなかった」
隊長は一言そう言うと、彼女たちに頭を下げた。
水色の髪の少女はキョトンとした表情をつくり、何度も瞬きをして隊長を首を傾げながら見上げる。
「どうして、おじさんが謝るの?」
純金の髪の少女とは違って、水色の髪の少女は、意外にも落ち着いた素振りをするので、隊長は驚かざるを得なかった。
「部下が、自分たちで大丈夫だっと言ったので、私はそれを信じて部下たちだけで行かせたのだ……だけど、途中でSSランクの魔物に出会ってしまって……それで遅れてしまったそうだ。私の責任だ」
訳を話すと、もう一度頭を彼女たちに下げる。
水色の髪の少女は、少し寂しそうな顔をするが何も隊長には言わない。
どう言葉にすればいいのか分からないのか、それともただ頭を下げている隊長を憐れとしか思っていないのか……。
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