学園到来!!

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「なんだか、随分遠くまで来たような気がして……」 「すぐ近くに、虹の協団はあるのに?」 良く分からないコトの発言に、私は首を傾げる。コトは、バルコニーに目をやり、空を眺めながら言葉を紡ぐ。 「だって私、あの部屋から出られなかったし、何時も同じ景色しかあの部屋の窓からは見えなかったから……」 コトは寂しそうに微笑みながら言葉を口にする。 私は、ソファーから立ちバルコニーの窓を開けた。この部屋に入って、まだ私は景色に意識を向けていなかった為、改めて外を見るととても綺麗な光景だと思った。 「これからは、いろんな処に行けるよ…たくさん。だって、私たちには沢山の時間があるんだから……」 「そうだね……」 私たちは、暫くの間窓から入ってくる心地の良い風を感じながら、空を見上げた。 空は青く、太陽は眩しく輝いていて、まるで私たちがこの学園に入って来た事を自然全体が祝福しているように感じた。
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