お前はチョークか

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その日は寒かった。 そう感じたのは、過ぎ去った去年への名残惜しさからか、はたまた冬休みもあとわずかという切なさからか…。 今年で部活も引退し、馬鹿やってた自分ともお別れ、いわゆる受験生になる。 人生初の大きな分岐点に不安を隠せないが、それは一年先の話。 今はただ、目の前にある問題を片付けることに精一杯だ。 そんなことを考えているとき、窓の向こうに白い花びらがチラついた。 「あ、雪。」 スパーン!! 殴られた。 「なぁにが、『あ、雪。』…だ!!誰のために人が手伝ってると思ってる!!」 「正直しんどい。」 スパーン!! 背負い投げされた。 「痛っ、背骨折れた。」 「折れるか!! お前が『冬休み最後に派手に遊ぼう』って言うから来たのに、なんでお前の宿題やらされなくちゃいけないんだ!!」 「SADAME☆」 スパーン!! 巴投げされた。 「痛っ、尾てい骨折れた。」 「折れるか!! とにかく、このワークだけは終わらすぞ!!」 「その胸に聞いてみな。 それでも同じ口が叩けるなら、いいだろう、どこからでもかかってこい!!」 スパーン!! 上手投げされた。 「甘い。残像だ!!」 スパーン!! 掬投げされた。 「痛っ、肋全部折れた。」 「投げる度に折れるとか、脆すぎだろ!! お前はチョークか!!」
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