シャー芯にしか見えねぇよ

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それにしても、イカ墨か……。 懐かしいな。 イカ墨スパゲティ。 実は、実家がイカ漁師の俺にとって… イカ墨スパゲティは 『オフクロの味』なのだ。 …よし、久しぶりに食べたくなった。 作ろう。 でも、よく考えたら作り方わからないな。 情けない…あんなに食べたのにな。 取りあえずやってみよう。 えっと…。 確か、スパゲティの麺は真っ黒だったから……。 俺は引き出しからハケを取り出し、茹でる前の固い麺にイカ墨を塗り続けた。 すると、不意にチャイムが鳴った。 ドアを開けると、 そこは不思議の国でした。 嘘でした。 そこには、友が立っていた。 SHOUYA「友!!お前…!!何で…仙台に!?」 友「お前言っただろ?旨い寿司でも食わしてくれるって。」 SHOUYA「馬鹿やろう(笑)。まだ立派じゃねぇよ。 修行中だ。」 友「いいんだよ。そんなこと。 久しぶりに顔が見たくなっただけだ。 そんなことより……今何やってんの?」 SHOUYA「イカ墨スパゲティ作ってんだよ。 ほら。」 友「板前がイカ墨スパゲティかよ…(笑) って…… お前…… それ……」 友は、俺が作り上げた、イカ墨を念入りに塗った、茹でる前のスパゲティをみて、目を疑っていた。 SHOUYA「やっと終わったぜ……。 後は茹でるだけだ。」 友「シャー芯にしか見えねぇよ。」 .
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