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「そちらへお掛けください」
「はい。失礼いたします」
智美は椅子を引き、腰をおろした。
「では、履歴書をお預かりしても宜しいですかな?」
智美は持参した履歴書の入った封筒をバッグから取り出すと、向かいに座る男性に差し出した。
「ご挨拶が遅れました。 私、この会社の代表を務めさせていただいております『堺 清次郎』と申します。 と言っても個人会社なんですがね」
そう言って堺は頬を指でポリポリと掻いてみせた。
「当社の業務内容は、世界各国から個人輸入してきた民芸品や骨董品を、インターネットのオークションで販売する内容になります」
これから、マンションを改造した、このオフィスで事務のパートの面接が行われるのだ。
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