第一話 ~面接~

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「お任せする職務は、電話の応対と、顧客情報の管理などをしていただきますが……何か質問はございますか?」 「いえ……特には……」 「まあ、そう硬くならずに……まずお茶でも、お飲みください」 そう言って堺は奥のキッチンへと姿を消した。 オフィスの壁や棚には、先ほど話していた物だろうか……どこの国の物か分からないが、民芸品や古そうな骨董品が飾られている。 代表の『堺』と名乗った男性は、年の頃は50過ぎ位だろうか……品格のある優しい雰囲気を漂わせていた。 男性と二人きりで仕事か……でも、歳もだいぶ上みたいだし、なにはともあれ、こんな好条件をみすみす見逃すわけには行かなかった。    
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