Take1─捨てられた少年

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  「なんでしょう、父上」 あくまで冷静に。 「家の汚点は排除しなければならない、わかるな?」 この時、自分がどうなるのか完璧に理解してしまった。 ──捨てられる。 しかしどこか嬉しかった。 ──この生活から抜けられる。 「お前を<死の森>に転移させる、生きるも死ぬも、お前しだいだ」 死の森。危険度SSSランク級の、進入禁止区域である。 「……」 しかしクロアは全く動じなかった。 早く魔法を実戦で使いたかったからだ。 危険度なんて関係ない、 禁忌まで覚えたんだ 簡単に死んでたまるか 「まぁ…生きられんか《強制転移》」 クロアの周りを光が囲んだ。 「……自由だ…ははは自由だ! 感謝するぞ親父ぃぃ! 置き土産だ…《ダークボム》ッ!」 闇の初級魔法、しかし魔力は上級並に込めた。 ──ドガアァァァァン! その爆発と、クロアが光に包まれ目の前が真っ白になったのは、同時だった…。  
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