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放課後
教室の引き戸を開けて中に入ると彼女がいた。
黒板の前で屈むようにしてひとりだけで臨書している。
僕に気付いて、笑って会釈をしてきたので同じく笑って返した。
今の笑い方、変に思われたかもな‥。
彼は肩から鞄を下ろして机に乗せた。
硯などを用意して、毛氈を広げてさらにその上に半切を広げた。
紙を撫でて波を手のひらで外に出した。
彼女の隣にした
墨を注ぎながら横目で彼女をみたら依然黙々と書き続けてる。
彼は気を締めて紙に向かって書き始めた。
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