理沙のいない日々

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    「皆さぁぁぁぁん おはようございま~す」 そう言って挨拶をするのは すがすがしい朝を迎えた 沖田総司である 理沙がさらわれたことを 知る人はいなかった 「それにしても理沙さんは いつ帰ってくるんですかね?」 「女中のくせに朝帰りとは ずいぶん偉い身分だな」 沖田の問い掛けに答えたのは ボリボリ頭をかいて現れた 土方だった どうやら 理沙が島原に泊まったのだと 勘違いしているようだ 「あいつがいない朝は 静かでいいな」 「またぁ、土方さん 本当は寂しいんでしょ?」 「うっせぇ総司」 「あははは 素直じゃないなぁ」 こんな冗談で笑いあえるのも 時間の問題だった  
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