始まりは中1

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「ちょっと、聞いてんの!?」 「ヘンジ ガ ナイ タダ ノ クサッタシタイ ノ ヨウダ」  2020年7月23日、夏休み3日目。天気は低気圧も台風もスルーして灼熱地獄。  埼玉県南部にて、ちゃぶ台に頭を押し付ける少年1名とそれに対してイライラ中の少女1名。 2人とも13、4歳程で、顔・体型共に上の中と、美少年と美少女のコンビである。 「ホラさっさと起きて! 宿題終わらせなきゃダメでしょ」 「もう、や!! アタイをこのまま安らかに溶かして蒸発させてちょーだぁい!!」  ・・・・・・コンビなのだが、性格の差は凄まじい。  少年の名は藤宮 夜宵(ふじみや やよい)。一度、名前を読み上げられたとき先生に「何というか・・・・・・名前の雰囲気?」程度の理由で女と勘違いされたという武勇伝持ちだ。読み方を間違えられた上に、だ。 ・・・・・・艶のある黒髪、どこか大人の雰囲気漂う整った顔、丁度良い具合に引き締まった肉体。相当なイケメンだが無自覚、暴走した発言。全男が嫉妬を通り越して殺意を覚える。  そして、少女の名前は裕凪 深鞘(ゆうなぎ みさや)。此方も読み方を間違えられた経験がある。「ふかさや」とか。 まとまり、サラサラなオレンジの長髪。 強気そうな大きな眼。スベスベのお肌。 出るところは出る体。 はっきり言って美人。 ファンクラブあり、彼女に一目惚れした男性・女性は数知れず、無数のストーカーあり、レズに襲われた体験あり。
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