始まりは中1

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 その時、木製のドアが開いた。 「おーい、冷えたお茶持ってきたぞ」 「ありがとう、ついでに言うと何故親指サイズの氷が無駄に大量に入っている? 氷の数指定したぞ俺は」  乱入しつつ突っ込みを入れられたこの男子は、中1の 瀧片 勇司 (たきかた いさじ)。 綺麗な蒼眼、蒼い髪。 イケメン(無自覚)。 優しい。 爽やか。 運動神経は最高級。 剣道有段者。 頭脳明晰。 ファンクラブあり。 幸運の持ち主。 熱を上げる女子多数。 それを妬む男多数。 略して、最強系男子。 「・・・・・・? 何だよ、人の顔をじろじろ見て」 「黙れ《全男の敵》。即首吊れ」  藤宮の足元から僅かに黒いオーラが立ち上る。 「俺何か悪い事したか?」 「多分何もしてないわよ」  しかし2人は気づかない。殺意を向け続けられているため慣れてしまった。 藤宮は実行に移された恨みに9割強巻き込まれ、悪意に敏感になってしまったのに、だ(簡単に考えて自分含め3人分)。 「・・・・・・ハァ」 怨んでも呪ってもこいつは生き延びるのに違いないから仕方ない、とシャーペンを手に取って宿題に再び挑戦した。  ちなみに、この3人は「二つ名」と言う物を複数持つ。 藤宮 夜宵は《暗黒の影》《夜王》《暴走型イケメン》とか。 裕凪 深鞘は《夕焼け色の美神》《全てを魅了する笑顔》《恐らくツンデレ》やら。 瀧片 勇司は《救世主》《全を護る勇者》《全男の敵》だとか。 この3人は、常に共に行動し、あり得ぬ事ばかりを成し遂げるため、こう呼ばれる。     デルタ イレギュラー ーーー 三大 異常 と。
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