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「今度こんなことないようにしてよ」
「………」
「少なくとも、わたしの前ではね」
そう言って、紗英は部屋へ戻っていった。
「…なんでぼくだけ」
紗英も、葵姉にもなにか言えばいいのに、あれか、葵姉だけに、シスコンなのか。
そんなことを独りごとで言ってると、機嫌のいい葵姉があがってきた。
「…葵姉、なんか着れば」
「きゃ、俊介変態」
「自分から見せといて、それはないんじゃないの」
「それより、紗英になにか言われた?」
「ああ…葵姉と風呂入ったりしちゃいけないらしい」
「…そんなこと言ってたんだ」
「まあ、僕が意思弱だからいけないんだけど」
「俊介は悪くないわ、それなのに、紗英は…」
「紗英は悪くないよ、たぶんね」
「俊介は優しすぎよ、だれにだって」
そう言って葵姉は僕の頬にキスをした。
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