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「とりあえず、後で話をしましょう」
「…はい」
これからなにが待ち受けているのだろうか、葵姉は気持ちよさそうに、風呂に入っているし。
「俊兄、座ってよ」
居間に呼ばれた僕は、紗英の前で正座をしている。
「なんで一緒に入ってるの?」
「だから…さっき言っただろ」
「そうじゃないわ、なんで俊兄が葵姉と入れるの」
「いや、なんでって………」
「私だって、葵姉と一緒になんでもたくさんしたいわ」
「紗英、どうした?」
「なのに…なんで俊兄なの」
変わらない口調で紗英は言う。
「俊兄が男だからなの?私が男じゃないからなの?」
「落ち着いてくれ、紗英」
「俊兄だからなの、ねえ、なんで?」
紗英は少しずつ僕へと歩みよる。
「教えてよ俊兄、葵姉とたくさんやりたいんだよ」
紗英の目は虚ろで、僕をしっかり見えていないかのようだ。
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