春子の目撃証言

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「じゃあ、お母さんに会ってよ」  興梠がそんな言葉を叫ぶ。しかし、その言葉に対して首を横に振る増田の姿が見えた。  春子はそんな増田を情けない男だと思ったが、もしかするとその情けないところが興梠の琴線に触れたのかもしれない、と春子はすでに二人が交際しているという前提の元で考えていた。そして春子は、世の中にはだめな男にばかり惹かれる女性がいると、以前に雑誌で読んだ事を思い出していた。
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