251人が本棚に入れています
本棚に追加
どうということもない昼下がり…日番谷は執務室で今日の仕事を片付けていた。
日番谷「松本のヤローまたサボりやがって…俺の仕事が増える一方だ」
そんなことを呟きながら筆を動かしていると、勢い良く扉が開いた。
日番谷は一瞬乱菊が帰ってきたのかと思ったが、そこに立っていたのは乱菊ではなかった。
雛森「…日番谷くん!!」
日番谷「隊長だっつの!『日番谷隊長』!!………?どうしたんだ、そんなに慌てて」
扉を開いたのは雛森だった。
しかし雛森は息を切らし、相当慌てた様子で日番谷の名前を叫んだ。
日番谷に問われた雛森は、息も整いきらないうちに口を開いた。
雛森「おばあちゃんが……倒れたの!!」
日番谷「……!!」
聞いた途端に日番谷は部屋を飛び出した。
日番谷と雛森は西流魂街の一番地区、『潤林安(じゅんりんあん)』で育った。
流魂街は地区番号が若いほど治安が良い地区になっている。
潤林安は最も安全な地区で、日番谷も雛森も伸びやかに日々を過ごした。
しかし日番谷は外見や性格から近寄りにくい存在として見られ、周りからの目は冷たかった。それでも雛森はそのようなことは言わずに、普通の男の子として接してくれた。
そしてもう1人、日番谷を恐れずいつも世話を焼いてくれた育ての親とも呼べる存在……それが雛森が言っていた祖母である。
日番谷「ばあちゃん!!」
日番谷が家に入ると、床に伏している祖母の姿があった。
日番谷「…………」
雛森「さっき寝かせてあげたんだけど……熱があるみたいで…」
雛森も日番谷も、時間があるときに祖母の家を訪ねている。
今回雛森が訪ねたとき、偶然祖母が倒れているのを見つけたようだ。
日番谷「…意識は?」
雛森「私が来たときからないの…」
日番谷「そうか…」
日番谷と雛森は、時間の許す限り祖母の様子を診ることにした。
最初のコメントを投稿しよう!