-プロローグ-

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少し憂鬱な気分で外の景色を見ていると、いつの間にか我が家に到着していた。 「ほれ、さっさ降りろ」 「あいあい」 俺は助手席から降り、後部座席で寝ている問題児たちを起こしにかかる。 「母さん、楓、千紗都、家着いたから起きんしゃい」 「「「うにゅ~」」」 なんと、3人揃って「うにゅ~」ってか。 流石は親子であり、姉妹みたいな関係を築くだけの事はある。 「お~い、早く起こせよ~」 「わーってるよ、ったく… ほら母さんも楓も千紗都も、さっさと起きな――」 「「「……抱っこ~」」」 抱っこ…だと…? 「いやいやいや、何を言っ――」 「「「……抱っこ~!」」」 ……………。 楓や千紗都やったらまだしも母さんまで… てかこんなにデカい声で抱っこしろなんて言ってる暇があるならさっさと起き―― 「お~い侑哉、まだか~?」 「あぁ、もうっ!!!」 「きゃっ」「わっ」「ひゃうっ」 「動くなよ、動いたら落とすからな」 親父がまだかまだかと急かすので、仕方なく3人を抱き上げて玄関に向かう。 正直3人同時に抱っこするのはキツいッス……
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