第一幕:王子様はツンデレですか?

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「転勤!?」 起きてきたばかりのパジャマ姿の俺は、目の前の両親を見て大声を出した。 だってさぁ~、なんかやたらとデカい鞄持って今からハワイに行くんですぅ~的な顔されちゃあ溜まったもんじゃねーっての! しかも俺は何も聞かされてないとなると、怒りも頂点になる。 「湊、もう決まった事だ…諦めなさい」 と、我が父上。 「今日行きのチケットが2枚しかないから湊は連れて行けないのよ?」 と、我が母上……っていつの時代だよ。 涼しげな顔で言われても説得力ねぇ~。 ……ってかチケット2枚って、完全に俺行かす気ねーじゃんか!! 勿論、俺は受け入れる事は不可能な訳で……。 「食事とか学校はどうすんだよ!!自慢じゃないが料理は食う専門で作れないんだからな!」 「大丈夫よ、そんな時の為にレシピを書いといたから!」 「そんな時って、どんな時だよ……それに!俺、一人暮らしなんて無理だかんな!部屋も散らかし放題だし……」 往生際が悪い俺に母さんはため息をした。 俺がため息したい……。 しかーし、これで諦めるなら嬉しい限りだ!! 俺は心の中でガッツポーズをした。 これで、自分の勝利と確信したが……。 「安心なさい湊、アンタを此処で一人暮らしさせる気はないから…」 「じゃっ……じゃあ」 「山奥に住む母さんの昔お世話になったお爺さんの所に向かいなさい」 いきなりの宣言に俺は固まった。 何……その待ってました的な用意周到な出来事は……。 母さんと父さんは気味が悪い程ににこやかだ。 俺に拒否権はないのね……最初から分かりきってたよ…ハハハ(棒読み) そして、母さんは…… 「何かあったら母さんの言葉を思い出しなさい……"頑張れ"と」 それだけ言い母さんと父さんは家を出た。 俺は、生まれて初めて母さんを殴りたいと思った瞬間だった。 俺はとりあえず朝食を食べにリビングに向かった。 ―湊父side― 「湊は大丈夫だろうか」 いくら何でも急すぎだったか? いつ言おうか迷ってたら当日になってしまった。 隣に居る我が妻の蒼(ソウ)を見ると、にこやかな笑みを見せていた。
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