第一幕:王子様はツンデレですか?

10/25
前へ
/405ページ
次へ
しかし、何故か母さんの時は男の俺しか産まれず……仕方なく俺を次期姫君にしようと決まったと言ういい加減な決め方だった。 そして、俺の使命は日本に存在する4つの祠にある妖刀を再び封印しなければならないらしい。 再びと言うのは、つい最近何者かによって妖刀の封印を解かれたからだ。 そして雪村家の血の中になんと妖刀があるという新事実が発覚。 それは悪い妖刀じゃないから別に構わないんだって……むしろ、それが姫君の力らしい。 そして俺を襲った魔物は俺の妖刀に引き寄せられたらしい。 何だか大変な人生の幕開けの予感。 ―☆― 『私はもうダメ、貴方だけ生きて…』 『………忘れないで、貴方を愛していた事を…』 ゆめ……ユメ……夢… 「……と……湊」 「……うぅぅん?」 なんだ?いったい誰だよ、人の眠りを邪魔するけしからん奴は……。 すると、身体が重くなった。 何かが俺の上に乗ってる? 俺は、瞼を擦り上に乗ってるのを確かめようとした。 そして石化。 「………なんだ、起きたならさっさと起きろ」 「……………ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!!!」 それはそれは、清々しいモーニングコールだったとさ、めでたしめでたし。 END 俺は目の前の変態を足蹴りして、急いで一階に向かった。 目指すは香ばしい匂いがするリビングだ。 「まさっ、雅也さぁぁん!!」 「おや湊くん、おはよう…昨日は眠れたかい?」 俺は雅也さんに飛び付いた。 俺の異常なパニックぶりを見ても動じずに似合わないフリフリレースのエプロンをしてキッチンで朝食を作ってた雅也さんが居た。 俺より少し遅れて変態がリビングにやってきた。 「おい、いきなり足蹴りするなんて良い度胸だな」 「うっ、うるさい変態!!寝込み襲いやがって!!」 「寝込み?…祐、無理矢理はいけないだろ…ちゃんと同意の上で…」 「何の話だジジイ、俺は寝込みなんか襲わねーよ、誰が男なんかの……」 「じゃあ、上半身裸でなんで俺に覆い被さってたんだよ!」 そうなのだ、コイツは人のベッドの上で俺に覆い被さるように居たのだ。 誰が見たって寝込みを襲われそうになったと思う。 もう俺、お婿に行けない(泣) 少年はそんな俺を見て、ため息をした。 「それは、朝風呂入ってたらジジイにお前を起こすように言われて、着替えんの面倒になったからズボンだけ履いて来ただけだろ?」
/405ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2445人が本棚に入れています
本棚に追加