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加減を知らないから嫌になっちゃうな。
顔を上げるとまだ不機嫌な佐久間が居た。
「俺は忙しいんだ、さっさと歩けよ」
「……佐久間、本当は道間違えたんじゃないのぅ~」
「はぁ?間違えてねーよ、テメェと一緒にすんな!」
「じゃあなんで着かないんだよ!なんでなんでなんでなんで」
「黙れうぜぇ」
佐久間が俺に銃口を向けたから黙った。
本当に佐久間は俺を守護してくれるのだろうか…。
本当に俺って姫君なのかなぁ~(他の守護者は佐久間みたいじゃなきゃ良いんだけどなぁ)
「そんなに知りたいなら教えてやるよ」
突然佐久間がそう言った。
俺は期待の眼差しを向けるが、聞かなきゃ良かったかも……。
「遠回りしてるから着きにくいに決まってんだろ」
………………………つまり、姫イジメですか…。
酷い、酷いよぅ~佐久間のバカアホハゲ~。
「ハゲハゲハゲハゲハゲ~」
「…………殺すぞ」
佐久間は本気の目をして俺に襲いかかってきた。
完全に止まったら殺されるぅ~~~~。
走り回って、来た道のルートを忘れたが無事に森を抜け出した。
ただし俺達は、息切れていたが……。
近くの公園で休むともう夕方となった。
「……あーあ、もう夕方だ」
「テメェが逃げなきゃもっと早く着いたのにな」
自分は悪くないと?遠回りした自分は悪くないと?
それを言うと今度こそENDになりそうだから、心の中で暖めとく。
―☆―
はい皆さんこんにちは、雪村湊でーす♪
今の俺の状況を皆さんに伝えるとですね。
迷子です!もう、どうしようもなく…救いようのない迷子です!
………ってか、佐久間に連れてこられて学校に着いたのは良いんだけど…迷子ってヤバくね?
しかも、これでもかって程広いし広すぎだしこんなに広いのはいらないだろっ!!
……ヤバい、広い広い言ってたらさらに広くなった気がする。
佐久間は俺がグラウンドをキョロキョロ見てたらスタスタと一人で勝手に行ってしまいましためでたしめでたし
………って、めでたくねーし…またこのネタかよっ!!
佐久間、さっきの事まだ怒ってんのか?短気だなぁ。
とにかく、ウロウロするのは危険だ。
俺はグラウンドの端にある草原の木に寄りかかる事にした。
木の根元に腰を下ろすと、寝息がどこかしらから聞こえる。
周りを見渡すと、一人の少年が近くの別の木に寄りかかり寝ていた。
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