第一幕:王子様はツンデレですか?

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そんな考えを知ってか知らずか、少年が視界から消えたかと思うと…。 「よいしょっと…」 「…って、人が悩んでる時に何してんだよお前は!!」 「………膝枕」 そう、何故か座ってた俺の膝に少年が枕代わりにして寝ようとしていた。 ………男の膝枕は、ゴツゴツしてるぞ? 「スースー」 「寝るなぁ!!」 しばらくして、なんかもう何もかも諦めモードになった時、頭の上から声がした。 「あれ、お前こんな所に居たのかよ」 また誰かがやってきた、今度は小柄な少年だ。 正直……俺より小さくない? 小柄な少年は、美形の少年の顔を覗き込んだ。 「おい秀一、こんな所で寝ると死ぬぞ?」 しっ………!!? 凍死か、凍死なのか!? 秋だけど、まだポカポカしてるぞ? ビックリしている俺はお構いなしで、小柄な少年は美形の少年を突っついてた。 「…おい秀一、お前が他人に寝顔を見せるなんて珍しいな」 「……居心地が良いんだ」 大して嫌な顔はせず美形さんが目を開けた。 なんか、美形さんに好かれた? 腰元に抱きつかれてる状態なんすけど……。 すると、やっと俺の存在に気付いた小柄な少年は険しそうに俺を見た。 「お前、部外者だよな……名前は?」 なんか、警戒されてる? 俺も警戒しながら言った。 「………雪村湊」 「「……」」 何故無言? なんか不安になるから何か言ってくれ!! そんな不安は一瞬で、二人はニコッと笑った。 「「……可愛い♪」」 「なっ……!!」 二度も言ったな!! 親にも言われた事ないのに……(それはそれで大問題) 俺は何だか気恥ずかしくなり、赤面&涙目で二人を交互に指差した。 「お前らも名乗れよ俺ばっかりでさ!」 「ゴメンゴメン、俺は須賀祐介(スガ ユウスケ)…よろしく湊ちゃん♪」 「……青山秀一(アオヤマ シュウイチ)、よろしく湊(……可愛い)」
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