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「…佐久間、それってどういう」
「どうもこうもねーよ、お前が俺の下僕になるなら佐久間家に入れても良いって言ってんだよ」
何だろう、さっきまでのピンク色の甘い雰囲気はチリとなって消えた。
……まぁ、俺自身も何だかよく分からなかったんだけどね。
その後、帰りが遅い俺達を心配した雅也さんが迎えに来たのは言うまでもない。
―祐side―
風呂から上がって、自室の窓をボーッと見ていた。
そして、ガクンと床に膝を付いた。
森での会話を思い出したからだ。
俺はあそこで何を思って言った?
『……なら湊、俺の所に来るか?』
風呂上がりなのに、全身が熱くなるのを感じた。
口元に手を当てて、衝動を堪えようとした。
「………知らない、こんな感情…何なんだよ、いったい」
同じ感情を昔味わった気がするが、俺はそれを忘れている。
始めての感覚に正直戸惑っていた。
ベッドに寝転がるが、思い出すのは嫌いだった筈の姫君である湊の笑顔ばかりだった。
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