第一幕:王子様はツンデレですか?

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―湊side― 転校初日です。 俺は今、目の前の鏡と格闘しております。 「あ……あれ?」 ネクタイが上手く出来ないな。 前の学校は学ランだったから楽だったんだけど……。 すると、鏡に佐久間の姿が写った。 「お前、何やってんだよ遅刻するぞ?」 「……ネクタイ結んでんだよ、見れば分かるだろ?」 「ネクタイ?お前、リボン結びになってんぞ…貸せ」 「ぎゃぁーーーーーー!!!!変態っ、変態が居るぅ~~~~~」 「親切にやってやろうとしてる奴に向かってなんだその言い方はっ!!」 そして佐久間に殴られた。 なんか、このやりとりが普通になってる俺って……。 「2人共、遅刻するぞぅ~」 一階から雅也さんの声がして反応した俺達は鞄を持ち、一階に降りた。 ネクタイは佐久間にやってもらわずに握りしめて…。 「雅也さん、行ってきます!」 「はい行ってらっしゃい、祐…湊くんの守護を頼んだぞ?」 「俺に拒否権なんかないくせに…」 こうして俺達は家を出た。 「佐久間、また遠回りとか言わないよな」 「遠回りなんかしたら遅刻すんだろうが……」 「………ですよね~」 内心ホッとしている俺と内心(遠回りでも良いかも)と思ってる佐久間が居た。 森を出て通学路での事、佐久間の異変に気付いた俺(相変わらず鈍くてさ) 「……佐久間、お前顔怖いな」 「昨日の疲れ十今日のストレスだが、文句あるか」 「………文句ありません」 昨日は半分以上佐久間のせいだろ?遠回りなんかしなきゃさ。 今日だって、佐久間が俺のネクタイを結ぼうとしなければさー(親切を仇で返す人) なんだ俺何も悪くないじゃーん、ハッハッハー!! そんな事より、ほらほら佐久間が怖い顔するから、登校中の生徒達がビビってるじゃんか。 怖いよね、怖いよね……俺も怖いよ。 後ろから、黄色い奇声(?)が聞こえた後、誰かから声を掛けられた。 「あれ…湊?」 ん?この学校に俺の知り合いは居たかな? 疑問を抱きながら振り返ると、無表情美形と笑顔チビが居た(酷いあだ名) 俺は昨日の事を思い出した。 「えーっと、須賀と青山?」 「……うん」
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