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―湊side―
転校初日です。
俺は今、目の前の鏡と格闘しております。
「あ……あれ?」
ネクタイが上手く出来ないな。
前の学校は学ランだったから楽だったんだけど……。
すると、鏡に佐久間の姿が写った。
「お前、何やってんだよ遅刻するぞ?」
「……ネクタイ結んでんだよ、見れば分かるだろ?」
「ネクタイ?お前、リボン結びになってんぞ…貸せ」
「ぎゃぁーーーーーー!!!!変態っ、変態が居るぅ~~~~~」
「親切にやってやろうとしてる奴に向かってなんだその言い方はっ!!」
そして佐久間に殴られた。
なんか、このやりとりが普通になってる俺って……。
「2人共、遅刻するぞぅ~」
一階から雅也さんの声がして反応した俺達は鞄を持ち、一階に降りた。
ネクタイは佐久間にやってもらわずに握りしめて…。
「雅也さん、行ってきます!」
「はい行ってらっしゃい、祐…湊くんの守護を頼んだぞ?」
「俺に拒否権なんかないくせに…」
こうして俺達は家を出た。
「佐久間、また遠回りとか言わないよな」
「遠回りなんかしたら遅刻すんだろうが……」
「………ですよね~」
内心ホッとしている俺と内心(遠回りでも良いかも)と思ってる佐久間が居た。
森を出て通学路での事、佐久間の異変に気付いた俺(相変わらず鈍くてさ)
「……佐久間、お前顔怖いな」
「昨日の疲れ十今日のストレスだが、文句あるか」
「………文句ありません」
昨日は半分以上佐久間のせいだろ?遠回りなんかしなきゃさ。
今日だって、佐久間が俺のネクタイを結ぼうとしなければさー(親切を仇で返す人)
なんだ俺何も悪くないじゃーん、ハッハッハー!!
そんな事より、ほらほら佐久間が怖い顔するから、登校中の生徒達がビビってるじゃんか。
怖いよね、怖いよね……俺も怖いよ。
後ろから、黄色い奇声(?)が聞こえた後、誰かから声を掛けられた。
「あれ…湊?」
ん?この学校に俺の知り合いは居たかな?
疑問を抱きながら振り返ると、無表情美形と笑顔チビが居た(酷いあだ名)
俺は昨日の事を思い出した。
「えーっと、須賀と青山?」
「……うん」
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