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屋上には、さっきの猛獣より遥かにデカイ化け物がいた。
そして、その奥には少女が倒れていた。
……少女の闇の力を吸って強くなったみたいだ。
大変な召喚で力を使いきったんだろう。
化け物は少女の肉体まで喰らいそうだったから、俺が妖刀を振り突風を出した。
それに化け物は気付いたらしい。
【グゥゥゥガァァァッッッ!!!!!!!!!】
耳が千切れるぐらいの大きな声で猛獣は唸った。
俺は耳を塞ぎ耐えた。
すると、化け物は突進してきて腕を振り上げた。
化け物の爪は鋭く、妖刀で塞いだものの、妖刀を持つ手に爪が食い込み血が流れた。
「ぐっ……ぐぅっ」
耐えるしかなかった。
弱音は言わない、絶対に……俺は……俺は
「俺は雪村湊様だぁぁ!!!!!!」
化け物の腕を弾いて俺は急いで少女の元に駆け出した。
少女を抱き抱えると鼓動が伝わった。
「…良かった、まだ生きてる」
化け物がまた突進してくる気配があったので少女を安全な場所に移動させて、化け物の方に向き直った。
化け物は体当たりしてきたから身体が吹っ飛んだ。
屋上から落ちないように妖刀を地面に突き立て、踏ん張った。
突進の衝撃で頭から血が流れた。
視界もボヤけてる。
……俺は、こんな所で死ぬワケにはいかないんだ。
妖刀を地面から外し、フラフラの状態で化け物に突進した。
……結果はとっくに分かっていた。
化け物に斬りつけられて、身体中から血が溢れた。
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