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―湊side―
何かが聞こえる、懐かしい声……
「こら湊、いつまで遊んでるの!?」
母さんの……声?
子供の俺は、砂遊びをしている…
母さんの声が聞こえないのか、黙々と遊んでる。
横に誰かがいる。
……顔がボヤけてよく見えない。
「ねぇ見て見て、泥だんご雪だるま♪」
「……可愛いね」
誰だろ、懐かしいのに……思い出せない。
綺麗な白髪……でも、雰囲気が秀一とは違う。
……誰?
手を繋いでいた。
手のひらから感じる。
……本当に大好きだったんだな。
「ねぇ湊」
「?」
突然少年は俺に話しかけてきた。
俺は首を傾げながら少年を見ていた。
「……此処で死んじゃったら俺と会えないよ」
……………え?
死ぬ……?
俺が死ぬワケないのに……
なんでいきなり……
「俺は会いたかった、君にずっと…」
少年は何も言わず俺に口付けた。
いきなりの事でビックリしたが、俺はすぐに受け入れた。
「…生きて」
―行きなさい、貴方の目的の為に―
少年と晃の声が重なった。
そして、一気にいろいろあった事が溢れて思い出してく……
最後は今、俺の為に戦ってくれてる三人の守護者達で止まった。
……そうだ、俺は死ぬワケにはいかない…死んじゃダメなんだ。
―祐side―
俺達は早めに全部倒して湊が居る屋上に向かった。
そして絶句した。
……巨大な化け物がなにかに怯えていた。
その視線の先には……
「……あ、きら?」
俺達三人は同じ事を思っただろう。
しかし目付きや体格は湊だ。
……ただ、やたら髪が長くないか?
腰を通り越して地面に黒髪が付いている。
…まるで晃そのものだ。
「これは、どういう事なんだ?」
「……晃の力だ、晃が乗り移ったみたいな…」
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