最終幕:王子様はお姫様ですよ?

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凪がそう言い俺達は湊の方に視線を向ける。 湊は妖刀になにか呪文を言っていた。 「我が妖の力を使いし姫、その力…守護神を呼ぶ力」 小さい声だが、ハッキリと聞こえた。 そして胸元に鋭い痛みを感じて、立てられない程痛み膝を地面に付けた。 胸元を押さえて苦しむ俺と壁に寄りかかり痛みに耐える青山。 その俺達を見て凪はまたもや驚いていた。 「…まさか湊くん、守護者の力を吸収してるのか?」 やがて湊の身体は光に包まれた。 そして辺り一面を光で覆った。 ―湊side― あぁ……暖かい光だな。 傷口がどんどん塞がっていく。 そして、光が消えると妖刀が手のひらから滑り落ちてその場に座り込んだ。 「湊くんっ!!」 凪さんが俺の元に駆け出してく。 もう終わったのか…… 俺は凪さんに笑おうとしたが、その前に凪さんに抱きつかれた。 いきなりで目が真ん丸だ。 「良かった、本当に良かった」 「凪さん、痛い痛いっ!!」 強く抱きしめられたからなんかメキメキ言ってるが…… 俺の短い髪を触り「戻って良かったね」と言っていたが、何の事やら… 「…あ、あの化け物は!?」 「もう居ないよ」 声の方を見ると、祐と秀一が居た。 なんか疲れきってる顔してるな。 ……凪さんは涼しそうなのにな。 「祐達が化け物を倒したの?」 「…はぁ?」 「化け物を倒したのは湊だよ」 倒した!? まっさかぁ~だって俺、やられそうだったのに…… そう言うと皆さん不思議そうな顔をしてらっしゃる。 相変わらず小馬鹿にされてそうでムカつく(誰もしてない) 「湊が出した光で化け物は闇の中に還ったんだ」 「そんな事出来るんか!?俺、すげー」 「召喚魔士で召喚した魔物を還すなんて……あーあ、僕も湊くんと痛みを分かち合いたいよ」 何だかさっきから会話が噛み合わないような…… 凪さんがあまりにも切ない顔してるからキスをしてあげた。 凪さんは喜んでいたが、後ろから鬼のような殺気がバシバシと…… 「あ、そうそう…あのゴスロリの子居ないね」 「逃げたんじゃないか?悪役によくある事だ」
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